上田会計週報『経営改革の構想』2017.06.26
2017年06月26日
経営改革は、企業が外部環境に適応しながら生き抜き、発展し続けるための、グループ経営改革・企業経営改革・事業経営改革・機能経営改革を言いますが、ここでは、企業経営改革について述べます。
企業経営改革の絶対要件
改革を実現するために、欠かせない要件は、「トップが経営改革を決断するとともに、改革の構想を持つこと」です。
改革の構想とは、改革が実現されたときの “経営のあるべき姿”をありありとイメージし、現状の姿と比較したギャップを具体的にすることであり、このような構想がトップの経営改革推進におけるリーダーシップの根源となります。
このような構想は、実現の担い手となる社員の理解と主体的・挑戦的な改革意識と行動を引き出す力を持たなければなりません。
したがって、トップが自分だけで、机上で書いたものではなく、少なくとも中堅幹部以上の社員・役員が改革構想の策定に参画し、創意によって描かれた姿とトップの構想が限りなく一致するべきです。
これを、経営改革の内部経営改革において、中心的な位置付けとなる目標管理制度改革を取り上げて考えてみましょう。
目標管理制度の改革構想
目標管理制度は業績管理制度であり、社員の参加によって経営戦略目標の達成を図る企業経営改革の代表的制度です。
その改革構想の策定は、次のステップで進めるべきです。
①現状認識
目標管理制度の運用実態(例えば直近年度の目標設定状況・貢献度評価状況・運用上の問題点など)をトップ・管理者・一般社員が事実状況に基づいて記述、認識する。
その結果、どこがうまくいっているか、欠けているか、等を具体的に認識する。
②改革構想を描く
現状の姿から、問題点を改善しさらにレベルアップを図った制度の姿を描く。この時、先行例のベンチマークも役立つ。
経営者の留意点
①②の方法としてファシリテーションなどを用い、衆目が一致する現状認識・改革構想の発想を行うことが重要、かつ効果的であり、改革実現の強力な推進力となることは疑いありません。