上田会計週報『トップ主導の賃金制度改革』2017.11.27
2017年11月27日
長期間、職能資格制度などを運用してきた結果、年功賃金となっている企業が、等級制度・賃金制度・評価制度を抜本的に変革しようとするとき、“トップ主導の賃金制度改革”を実施するのが必要不可欠となります。
トップ主導の賃金制度改革の必要性
長期に年功型の処遇制度が運用されてきた企業では、賃金実態が勤続年数に応じて
増加し、高い賃金の管理者層・古参社員が、役割貢献度賃金など、実力に応じた賃金制度への変革に強い抵抗を示します。
したがって、トップ自らが、役割貢献度に応じた役員報酬制度の適用を受けるなど、賃金制度変革の先頭に立つことで、社員への説得力を持つことができ、役員・管理者・一般社員の賃金制度変革が推進し易くなります。
賃金制度変革事例の紹介
食品製造販売業・K社は、グローバルな
事業展開を加速する中期経営計画を策定、その重点課題の第一順位に「グローバル人事制度の導入」を掲げて、2015年度に実施しました。その概要を紹介致します。
[改革項目と改革概要]
①年功型から、職務型等級制度への移行
給与は「人」に支払うのではなく「仕事」に支払う。各職務の大きさ(ジョブサイズ)の評価は「知識・経験」「問題解決」
「達成責任」の3要素・8項目の評価指標で、職務評価。
②「固定給」を減らし、「変動給」を多くする。上位ポジションになるほど変動報酬部分の割合増加(例えば、課長:固定報酬8割・変動報酬2割、会長・社長:固定報酬・変動報酬各5割)
③成果の差を評価して給与を支給
目標管理制度で貢献度評価・給与適用。
以上の改革をトップから実行しました。