ミネルバ会計週報『住宅取得等資金に係る 贈与税の非課税措置の拡充』2019.05.20
2019年05月20日
贈与税の非課税措置とは
父母や祖父母などの直系尊属から、自己の居住用住宅の新築・増改築等のための資金を贈与によって得た場合、一定の金額まで贈与税が非課税になる制度です。消費税率が10%になるのにあわせて、非課税枠の拡大がなされました。拡大後の非課税限度額は以下の通りです。
契約年 |
質の高い住宅 |
その他住宅 |
2019年4月~20年3月 |
3,000万円 |
2,500万円 |
20年4月~ 21年3月 |
1,500万円 |
1,000万円 |
21年4月~ 12月 |
1,200万円 |
700万円 |
※期間内でも税率8%適用・個人間売買等の場合は拡充前の上限が適用となります。
「質の高い住宅」とは、断熱性が優れている・耐震免震住宅・バリアフリー対策がされていて、一定の水準に達している住宅のことです。
なお、受贈者が20歳以上、その年の所得金額は2,000万円以下、贈与を受けた年の翌年3/15までに家屋の新築等をする・翌年12/31までに居住を開始する、等の条件に適合していないと、贈与税の非課税措置が受けられません。また、住宅ローンの決済後の贈与に関しても「住宅取得の対価」として認められないため利用できません。
相続時精算課税との併用もOK
非課税枠以上の贈与を行う場合には、毎年110万円の暦年贈与の非課税枠か、最大2,500万円の特別控除で相続発生時まで税金の計算を先延ばしにする「相続時精算課税制度」を選択適用できます。
小規模宅地等の特例は受けられなくなる
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税は、「持家を得る(改築する)」ためのものですから、故人と同居していたか、いわゆる「家なき子」である場合が条件の、相続税の計算で土地の評価が最大80%下がる「小規模宅地等の特例」が利用できなくなります。
相続・贈与に関しては特例の適用条件が複雑ですから、アクションを起こす前に必ず確認をしましょう。