上田会計週報『“見える化仕事術”の活用』2015.05.11
2015年05月11日
見える化仕事術”とは、物事を説明するとき、受け手がパッと見て理解できるように、図やグラフなどで表示することを言い、コミュニケーションのスピード向上に役立ちますので、目標管理でもうまく応用すると大きなメリットが得られます。
“見える化仕事術”の活用目的と方法
“見える化仕事術”は目標管理の場合、主に次の三つの目的で活用されます。
活用目的 | “見える化仕事術”の方法例 |
① 現状の問題点の重要性・解決の困難性を説明し、上司の支援を得たい時 | ・パレート図・ヒストグラムなどで問題の重要性を説明 ・写真・図解などで問題の技術的ポイントを強調 |
② 目標達成プロセスのポイントを説明し、上司や関係部門の協力を得たい時 | フローチャートなどで重要なプロセス・関係部門などを表示 |
③ 目標達成時のありたい姿や達成した結果を報告し、上司の関心を引き出して、より高いステップへ進めたい時 | ・ビジネスモデルを取引関係のスキーム(取引手順・課金・回収など)を図示して表示 ・開発品モデル作成 |
“見える化仕事術”が失敗する時
“見える化仕事術”の効果に頼りすぎ、基本的問題解決・課題達成の定石を軽んじた次の場合に失敗が起こり易いと言えます。
1.問題そのものを“三現主義“(現地・現物・現実)で的確に判断していない。
2.達成プロセスの設計で必要な作業のブレークダウンを注意深く行なっていない。
3.達成した結果を“見える化”する際、関係部門(特に実施部門)や、プロジェクトチームメンバーとの合意形成が不十分。
言いかえればプロジェクトリーダーや、担当者の“焦り”や“希望的観測”が生み出す現象とも言えます。
経営者・管理者の留意点
“見える化仕事術”は、目標達成の成功要因獲得、成果のより高い経営レベルでの活用などに役立つ方法ですから、大いに奨励すべきですが、同時に “三現主義“に基づく的確な状況判断、関係部門等とのコミュニケーション、重要事項の合意形成を大切にし、その中で“見える化”の活用を図るよう指導しましょう。