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上田会計週報『役割貢献給への改定』2017.07.24

2017年07月24日

現状の賃金実態が年功型となっており、社員の高齢化と相俟って年々総額人件費が増加し、経営を圧迫しつつある場合、なるべく早く役割貢献給へ改定することが必要と言えましょう。

役割貢献給への改定手順

役割貢献給への改定を行う場合の手順として、現状の賃金実態が年功型であり、賃金等処遇の基軸となる役割等級制度の整備も不十分なケースでは、次のような改定手順がおすすめです。

①現状の賃金実態(個人別の年齢・職種・

社内等級・月例賃金・内訳、賞与額、年収)を一覧表で表示する。

②賃金実態から、現状賃金制度の具体的な問題点をチェックする。

・職種別・社内等級別月例賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、等級間の逆転現象など不自然な点をチェックする。・賞与・年収についても同様にチェックする。

③社員全体、及び職種別の年齢別賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、年功化などの問題点をチェックする。

④社員アンケート、または聞き込み調査などにより、賃金制度・等級制度・評価制度とその運用に関する問題点を具体的に把握する。

⑤問題点を解決しうる役割貢献給の賃金体系・運用のあるべき姿について“ベンチマークすべき先行例”を探る。

⑥日本経団連等の賃金調査資料・人事院の生計費等から、職種別・等級別のあるべき月例賃金水準の見当をつけておく。

⑦自社の役割貢献給のあるべき姿について、⑤⑥を参考に基軸となる役割等級制度・改定賃金体系・賃金額・評価・反映などの運用方法を決定し、問題点解決が可能であることを確認する。

⑧個人別に現状賃金と改定賃金の差額を賃金制度移行調整額として、2~5年で償却する計画を立て、実行する。

経営者・人事担当役員の留意点

労働契約法で賃金等就業規則の不利益変更について、可能となる要件を「労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更内容の相当性、労働組合等との交渉の状況、その他の事情に照らして合理的なものであること」と定めており、それらに注意深く対処して改定を進めましょう。

 

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