上田会計週報『目標管理で業績管理』2018.12.03
2018年12月03日
今日の経営では、「目標管理制度」が 主要な「業績管理」の手段として認識されていますが、20世紀に入る前は「業績管理」は財務会計・管理会計によってなされると考えられていたようです。
「業績管理」の本質的意義
業績を管理するには、経営努力の成果を「財務会計」や「管理会計」により、経済価値を数値で示し、業績の高さを測定することが必要不可欠ですが、「業績管理」の本質は「組織と社員一人ひとりが与えられた役割・責任・成果責任、または期待貢献に応じて目標を分担し、活力をもって達成すること」をマネジメントする点にあります。
すなわち、「目標管理制度」によって巧みなマネジメントを行うことが即「業績管理」となっており、一方「財務会計」「管理会計」はそれを経済価値で評価する主要な手段という位置づけになり、目標管理制度の運用では目標達成基準や成果測定でしばしば活用されます。
このように、「目標管理制度」は「人・物・金・情報」を含む経営全般を対象とする「業績管理制度」ということが出来ます。
「業績管理」のポイント
「目標管理で業績管理」を実施するポイントは、社員の「経営戦略目標に基づく主体的・挑戦的活躍を運用プロセス全般で引き出すことにあります。これを運用の始めに位置する「目標設定」のプロセスで示しますと次の諸点がポイントとなります。
①経営計画・経営目標をカスケードダウン(段階的順次細分化)により、組織・チーム目標・個人目標へ的確に配分する、 ②役割・職務等級制度とリンクし、役割・成果責任・期待貢献に基づいて目標設定を行う。 ③より挑戦的な目標設定へ誘導するため、「チャレンジ度」を設定する。 ④目標設定対象業務の性質に応じた目標達成基準を設定する。 |
経営者・管理者の留意点
「目標設定」に続く目標達成プロセス・貢献度評価・賃金・昇格・昇進など処遇への反映にも「業績管理」のポイントがありますが、それらのマネジメントの優劣は管理者のファシリテーション能力にあることに留意したいものです。