ミネルバ会計週報『国税のコロナウイルス対応』2020.4.13
2020年04月13日
確定申告期限が延長された本年
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっています。所得税・贈与税の申告期限は1か月延長となりました。その他の税の手続きを延長できる制度にも、変更が加えられている部分があります。横断的に見てみましょう。
今般の感染症=災害
新型コロナウイルス感染症に関しては、これまでの災害時のような資産への損害・帳簿等の消失といった直接的な被害は生じていないものの、患者になった、あるいは濃厚接触者になり外出自粛等の要請が行われるなど、「自己の責めに帰さない理由」があるため、従来の法人税等の申告期限延長の申請理由の他に、以下のようなケースでも申請が認められます。
①税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含む)が感染症になった
②納税者や経理責任者が外国に滞在中で、入出国制限にかかり戻ってこられない
③経理担当者等が感染及び感染対策で休暇を取っている
④感染防止のため株主総会の開催時期を遅らせた
⑤納税者が保健所や医療機関等から外出自粛の要請を受けた
相続税の申告期限の延長
新型コロナウイルス感染症に感染したことなどにより、相続税の申告期限までに申告できない場合については、個別の申請で期限等が延長される場合があります。ただし、個別の申請で延長されるのは、その申請を行った方のみとなります。他の相続人等の申告期限等は延長されませんから、「ウイルス関連で相続の話し合いができない」等の事態に陥った場合は、相続人全員分の申請を忘れないようにしましょう。
納税の猶予にも感染症事由が適用
事業の損失等で国税を納付できない場合、最大1年間の分割納付が受けられる「納税の猶予」制度があり、感染症を事由に受けられるケースがあると国税庁は公表しています。また、本来は納税の猶予に担保の提供が必要ですが、今般の感染症の影響である場合は、担保は不要としています。