ミネルバ会計週報『将来の老齢年金受取額を 増やすには』2023.08.14
2023年08月14日
年金額を増やしておきたいとき
現在では「年金ネット」で自分の国民年金・厚生年金の加入記録の確認や将来の見込み額の試算も簡単にできるようになっています。将来の試算額より多くもらえるようにするには次のような方法が取れます。
①繰り下げ受給・・・特別支給の老齢厚生年金が受給できる方を除けば老齢年金の受給開始は65歳です。この開始時期を本人の希望で66歳以降に遅らせることにより受給額を増やします。
これを「繰り下げ受給」といいます。繰り下げを行うことによって老齢年金の受給額は繰り下げ1か月につき0.7%増額されます。繰り下げ受給は66歳から75歳までの間に請求できます。ただし、昭和27年4月1日以前生まれの方は70歳になるまでです。
例えば70歳までですと42%、75歳までですと84%増額され率は生涯変わりません。自分の健康具合などを考えて決めましょう。
②70歳まで働く・・・働いて厚生年金に加入し続ければ加入期間が増えるので年金額も増えます。その間の繰り下げも考えられます。会社が継続勤務を認める会社であれば可能となるでしょう。
③保険料の追納・・・経済的な理由で国民年金保険料の全部または一部の免除を受けた期間のある人は、その内容に応じて年金額が減額されます。10年以内に保険料を追納すれば追納保険料が反映されます。学生納付特例制度などの納付猶予を利用した方も10年以内なら追納しておけば反映されます。
④国民年金の任意加入・・・60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合、70歳未満の方で40年間の納付期間が足らず満額受給できない場合なども60歳以降に任意加入することができます。ただし、厚生年金保険、共済組合に加入中の方は任意加入できません。
また、国民年金には付加保険料(月額400円)を支払うと将来の受け取りは200円×付加加入月数分が受け取れます。
⑤厚生年金の任意加入・・・会社に勤めていて70歳になれば厚生年金から外れますが継続して働くとき、老齢年金を受けるのに加入期間が不足しているときは事業主が同意すれば保険料は折半、同意しなければ本人が労使分の保険料を支払う任意加入制度があります。